高血圧症とは
高血圧症とは、常に血圧が高い症状を指します。ただし、たまたま測った血圧が高いときには血圧が高いといえますが「高血圧症」とは言い切れません。最高血圧が140mmHg以上、あるいは、最低血圧が90mmHg以上であれば、高血圧症と診断されます。
血圧とは何か
血圧とは、心臓から送り出された血流が血管の内壁を押す力のことを指します。血圧は主に以下の4つで決まります。
- 心臓が1回の拍動で全身に送り出す血液量(心拍出量)
- 血管のしなやかさ(弾力性)
- 血液が血管に流れ込む際の末梢血管の抵抗力(血管抵抗)
- 血液の粘度
血圧は常に変動時、目覚めから日中にかけて上昇し、夜間・睡眠中は低くなります。また、季節も関係しており、冬は夏より高くなります。
最高血圧・最低血圧とは
心臓は収縮と拡張を繰り返して血液を送り出しているので、血圧はその動きに応じて上下します。動脈の血圧が心臓の収縮により最高に達したときの値が「最高血圧」、心臓の拡張により最低に達したときの値が「最低血圧」と言います。
高血圧症の種類
本態性高血圧症
原因の判らないものを「本態性高血圧症」と言い、日本人の高血圧の85~90%はこれに入ります。現在では、遺伝的な要素や塩分の摂り過ぎ、肥満、過度の飲酒、運動不足、ストレス、喫煙などの生活習慣が原因で発症することが多くなっています。
二次性高血圧症
本態性高血圧症と違い、二次性高血圧症の原因は明らかです。具体的にはホルモン分泌異常、腎臓疾患、薬剤の副作用などが原因で起こると考えられます。治療法としては腎動脈狭窄、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫などのように外科手術で効果が期待できます。
高血圧症における自己血圧測定の重要性
- 病院で血圧測定をしているだけで、降圧剤を服用している方
- 血圧を測定せずに降圧剤を服用している方 いませんか?
血圧は、時間だけでなく、測定環境により容易に上下します。その変化を想定したうえで降圧剤を投与することが重要です。
はるクリニック西小山では、無料で血圧手帳をお配りしています。そのほかにスマホのアプリを使用した血圧データの管理も行っています。指定の血圧計をお使いお場合は、測定後、Bluetoothを介して、自動的に血圧はスマホアプリに登録されます。そうでない血圧計を使用している方は、血圧手帳同様、手入力で血圧を入力していただきます。アプリに入力していただいた血圧データは、インターネットを介して、はるクリニック西小山の電子カルテに連動して記録されます。はるクリニック西小山では皆様の生活スタイルに合った記録方法と降圧剤の服用方法を提案させていただきます。
高血圧症から起こる病気
血管の壁は本来弾力性があるのですが、高血圧状態が続くといつも張り詰めた状態にされ、動脈硬化を引き起こしてしまいます。動脈硬化は全身に広がっていき、脳出血や脳梗塞、大動脈瘤、腎硬化症、心筋梗塞、眼底出血などの原因となります。また、心臓が高血圧状態に打ち勝とうと、無理をすることによって肥大化し、心不全を引き起こすこともあります。まずは自身でできる生活習慣の改善から取り組んでみましょう。
血圧の治療
基本は他の生活習慣病と同じく食事療法・運動療法がメインになります。ただし、それでも血圧が下がらない場合は薬物理療法による治療を行います。食事療法で気を付けることとしては、塩分を1日6g未満に減らしたり、カロリー制限、アルコール飲料の1日量日本酒は1合までと減らしてみることなどが有効です。運動療法では、週3日以上で1週間の運動の合計が180分以上となるようにしましょう。具体的な内容に関しては主治医と相談しながら進めていきましょう。薬は降圧薬を用いた薬物療法が行われます。処方する場合は、患者さまの症状によって1つの薬で良い場合もあれば、いくつか組み合わせることもあります。