高尿酸血症(痛風)

尿酸値と痛風

尿酸とは、肝臓で生成される代謝物の1つで、尿とともに一定の範囲で体外に排出され、血液にも取り込まれています。尿酸血とは血中に含まれる尿酸の割合を指します。尿酸値が高い状態を高尿酸血症と言い、それ自体に症状は伴わないですが、尿酸値が高い状態が続くことで痛風になる可能性があります。痛風になると発症から数時間後には歩けなくなるほど痛みが強くなり、1週間程度で痛みはおさまっていきます。

放っておくと腎臓病や尿路結石になることも…

高尿酸血症の状態が長く続く場合、尿酸が固まって結石となり、尿路結石を引き起こしてしまいます。また、腎臓に負担がかかるので腎不全を起こすリスクが高まります。

高尿酸血症とは

高尿酸血症とは、尿酸の血中濃度が異常に高まった状態のことで、血液検査を行い、7.0mg/dL以上を示せば高尿酸血症と診断されます。

原因

尿酸は1日に体内でおよそ700mg生成され、1日で排泄される量も700mgなので,体内の尿酸は常に一定を保っています。しかし、循環が崩れて、尿酸量が増えると高尿酸血症となってしまいます。尿酸はプリン体が分解されてできているので、プリン体を含む食べ物やアルコール飲料の過剰摂取は原因の一つになります。他にも腎臓からの尿酸排泄の低下も原因であると考えられています。

高尿酸血症のタイプ

高尿酸血症は、腎臓から尿中への尿酸排泄能と尿中尿酸排泄量により以下のタイプに分かれます。

尿酸産生過剰型……尿酸が過剰につくられてしまうタイプ

尿酸排泄低下型……尿酸が排泄されにくいタイプ

混合型……尿酸が過剰に作られる上に、排泄されにくいタイプ

尿酸値が7.0mg/dl以上の場合を、高尿酸血症と呼びます。

健康診断で尿酸値が高いと指摘されたら、受診した方がいいですか?

健康診断にて尿酸値が高くなっていると指摘を受けた場合は、早めに医療機関への受診をお勧めします。高尿酸血症では尿酸値をいかに抑えるかがポイントになりますが、ご自身でコントロールすることは難しいです。当院では専門医が、日々のお食事内容やアルコールをどの程度飲まれているかなど、食事習慣を丁寧に問診した上で適切な方針を提案します。特にアルコールはついつい飲まれてしまうことも多いですが、プリン体を多く含んでいるため、コントロールをしっかりする必要があります。

高尿酸血症が疑われる場合、どのような検査を行いますか?

血液検査にて尿酸値を測定します。尿酸値が高値で、尿中に尿酸がたくさん排出される場合、尿酸を核とする尿酸結石ができやすくなっており、腹部超音波検査で結石の有無を調べることも重要です。

超音波検査

高尿酸血症の治療はどんなことをしますか?

高尿酸血症の治療の目的は、痛風や尿路結石といった病気の発症、再発予防です。基本は食事のコントロールとアルコールを減らすことです。もしそれでもコントロールが難しい場合は薬物療法にて正常値に戻していきます。痛風が発生している場合、尿酸値は6mg/dl以下を目標にコントロールします。また、処方する薬には尿酸を生成しないようにするものや、排出しやすくするものなどあり、患者様の状態によって選びます。

日常生活で気を付けることはありますか?

まずは、食べ物の管理とアルコールの摂取量を減らすことです。プリン体を含むものを全く食べてはいけないというわけではありませんが、何の食べ物に含まれているかを把握することで、意識的に食べ物を選ぶようにしましょう。また、運動療法も有効で、適度な有酸素運動は尿酸値を下げられます。また、他の生活病疾患の予防にもなるのでお勧めします。ただし、激しい運動は逆に尿酸値を上げる原因になるので注意してください。

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