心臓の疾患(心筋梗塞・心不全・弁膜症・狭心症)

はじめに

循環器疾患とは広い意味では、体を循環する血液の流れが損なわれるような疾患で、主に心臓や血管の病気を指します。
その治療を行うのか循環器内科、心臓血管外科などの科ですが、脳の血管については、脳神経外科や神経内科などの科が主に取り扱ってきたという歴史から循環器内科や心臓血管外科ではあまり取り扱いません。
ただ、カテーテル技術の進歩により、外科手術と内科治療との区別がなくなってきていたり、カテーテル治療を外科や放射線科医が行うなど、その領域に境界がなくなってきています。
要は、何かの医師が診療する(治療する)ではなく、その技術を持ている医師が治療をする時代になってきているということです。
当院の院長は、大学病院をはじめ、基幹病院に勤務し、その人生の前半に多くの手術を経験し、その後半においては、手術に至らないような健康管理(予防医学)や適切なタイミングで手術が行われるよう早期の診断であったり、さらには、最前の状態で手術可能な施設(大学病院・基幹病院)に引き継ぎ(紹介)、手術が終わった患者については、基幹病院では出来ない、きめ細かなフォローアップのできる、地域密着のクリニックを目指して、2013年にはるクリニック西小山を開院いたしました。

はるクリニック西小山の取り扱う専門疾患について

 

虚血性心疾患

心臓を栄養する血管である冠動脈が動脈硬化などにより狭くなり、心臓に酸素が共有されなくなる疾患が虚血性心疾患です。
(例えば、正座をしていると(膝の裏側を通る血管が折り曲げられて下枝の血流が少なくなると)、ひざから下がしびれたり、痛くなったりします。
この場合の血管は正常なので、足を延ばせば、症状は改善されます。このように臓器に血液(酸素)が不足する状態を虚血と言います。)心臓に血液(酸素)が供給されにくくなる状態が、虚血性心疾患です。
虚血性心疾患には、狭心症と心筋梗塞があります。血管が狭くなり、心臓に血液(酸素)が供給されにくくなり、胸痛という症状となって表れるのが、狭心症です。
さらに血管が詰まってしまい、酸素が供給されず組織が壊死してしまうのが、心筋梗塞です。

 

心臓弁膜症

心臓には、4つの部屋があり、その部屋と部屋の間や部屋の出口には、心臓が収縮したときに血液が前方に流れるように弁が存在します。
左心房と左心室の間にあるのが、僧帽弁、左心室の出口にあるのが大動脈弁、右心房と右心室の間にあるのが三尖弁、右心室の出口にあるのが肺動脈弁です。
この弁が様々な原因で、狭くなったり、逆流したりするのが、狭窄症と閉鎖不全(逆流)症です。主に症状がでるのが、僧帽弁と大動脈弁で、それぞれに対して、狭窄の病態と閉鎖不全の病態があり、僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症といいます。

 

不整脈

心臓は規則的に拍動し、体全体に血液(酸素)を供給します。運動など酸素が更に必要な状態においては、その心拍数を増加させて、血液(酸素)の供給を増加させます。
心臓が拍動するには、洞結節というところで発生した電気信号が、心臓に伝わる刺激電動系という電気の通り道の疾患が不整脈になります。不規則な心臓の拍動は、動悸という症状となり、極端な徐脈や痙攣の状態は失神(意識消失)に至ります。また極端に心拍数が増加すると(頻脈性不整脈)、動悸に加えて、気分不良となって表れます。
心臓がけいれんしている状態の心室細動・心室粗動で心臓が血液を駆出できない状態になり、意識消失した患者に対して、広くAED(電気的除細動装置)が、公共機関に置かれるようになりました。

不整脈

 

大血管疾患

血管にこぶができるのが動脈瘤で、大動脈壁が中膜という部分で裂(さ)けてしまうのが、大動脈解離です。動脈瘤はこぶの状態では、無症状ですが、大きくなるにつれ、弱くなり、高血圧症とあいまって破裂に至ると出血による突然死にいたる病気です。大動脈解離も突然の背部痛で発症する疾患で、血管が裂けて、主用臓器への血管(枝)を閉塞させてしまうと、脳梗塞や死(ショック)に至ることもある疾患です。

 

血管疾患

心臓の出口である大動脈弁を出てから左右の足に向かう血管に(大腿動脈)に分岐するまでの部分を大動脈と呼び、そこから分岐・枝分かれした部分を動脈と呼びます。
動脈瘤も存在しますが、血管が細くなる分、狭窄症が主な病態となります。
大腿動脈以降の動脈の狭窄により、下枝のしびれが生じるのが閉塞性動脈硬化症という病気で、歩行により足のしびれ(痛み)が生じ、休息により、おさまる「間欠性跛行」という症状が典型的です。
組織末梢にまで酸素を供給し、末梢から心臓に向かって血液が戻っていく血管が静脈です。下枝の静脈に存在する弁が損なわれて、静脈にこぶが生じたり、蛇行したりするのが、静脈瘤です。

最後に

当院は循環器内科・心臓血管外科の専門クリニックになります。現在、通院しているが薬を貰うだけで特に症状の改善が図られていない方や健康診断で異常値が指摘された方はお気軽にご来院ください。患者様に応じたオーダーメイドな治療を心がけております。

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